各地に現存する古い砂防えん堤等は、国土の発展の礎として、それぞれの時代の知恵と技術をもって築き上げてきた先人達の足跡を伝える貴重な財産です。
当機構は、全国各地に残るこうした砂防設備等の歴史的価値を再評価し、その保全整備、さらに地域の文化資産としての活用を提言しています。また、これらの施設の実態を把握した上で維持管理に向けた提言も行っています。
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我が国では古来より各地で土砂災害対策としての砂防の取り組みが実施されてきました。特に、明治維新以降、各地で本格的な砂防事業が取り組まれ、近代国家発展の礎の役割を果たしました。これらの砂防施設のなかには、現役の施設として機能しているものが数多くあります。
こうした砂防施設のなかで、歴史的価値を有し、地域の文化遺産となるものについては、それらの価値を適正に評価し、文化財(重要文化財、登録有形文化財、登録記念物等)として登録し、その施設の健全度の検証、補強対策の検討、適切な維持管理などを実施することにより、歴史的価値を有する砂防施設として後世へ伝承していく必要があります。
当機構は、歴史的価値を有する砂防施設の評価・文化財登録の手続きに係わる支援作業と保全・管理に関する検討など、これらの施設を国民の財産として保存していくための取り組みを行っています。
歴史的な砂防施設の活用に関しては、平成15年5月に国土交通省・文化庁でとりまとめた「歴史的砂防施設の保存活用ガイドライン」にその活用のあり方(指針)が示されています。
また、これまで係ってきた経緯を踏まえ、当機構として「歴史的砂防施設の保存・活用マニュアル(案)」、「歴史的砂防施設の保存と文化財」(実費販売)をまとめて、全体としての枠組み、考え方、事例を解りやすく整理しました。
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