平成23年9月に紀伊半島で発生した天然ダム、平成25年10月の伊豆大島や平成26年9月の広島市などで発生した同時多発的な土砂災害、平成28年4月の熊本地震とその後の降雨等での土砂災害など、近年、大規模土砂災害は頻発しています。こうした災害は、個々の地域においては経験することが稀であることに加え、山間部や離島といったアクセスが困難な地域において記録的な豪雨に伴い広範囲で発生する場合もあり、情報の収集・提供、警戒避難、二次災害防止等にあたって、国・都道府県・市町村が連携して対応する重要性が改めて認識されています。
危機管理体制の構築・強化には、地域特性を反映した大規模土砂災害発生時の具体的な対応手順を整理するとともに、市町村支援を含め関係機関との連携を強化し、継続していくための方策が必要です。
当機構は、全国各地の地域防災計画、災害協定、防災体制等に関する豊富な知見や防災訓練の実施補助の経験等に基づき、大規模土砂災害に対する危機管理体制の構築・強化に向け、地域特性や各関係機関の防災体制を反映させた実践的な取り組みをご提案いたします。
これまで予測が困難であった深層崩壊の発生場所や被害想定等についての調査・研究が進んでいます。国土交通省により公表されている深層崩壊渓流レベル評価マップ等の情報やシミュレーション技術の活用等により、天然ダムが形成された場合のより具体的な緊急減災砂防対策(ハード対策、ソフト対策)を検討することが可能となりました。
当機構は、こうした技術を活用しながら、具体的な大規模災害現象や被害範囲を検討し、関係機関合同で実施する講習会や防災訓練等の開催をお手伝いいたします。また、こうした機会の効果的な活用も含め、地区防災計画(土砂災害)の作成支援、「タイムライン」と呼ばれる防災行動計画の検討など、大規模土砂災害に関する危機管理体制をより強化するための方策をご提案いたします。
※地区防災計画(土砂災害)の検討・作成に当たって、土砂災害防止の観点から確認すべき内容などを簡潔に把握することを目的として、独自にチェックリスト「土砂災害防止アドバイザー 確認用チェックリスト(案)」をこの度作成いたしました。参考にしていただくとともに、より良いリストとするためにも、ご意見等をいただけると幸いです。ご意見は、以下のメールアドレス宛に、タイトル「土砂災害防止アドバイザー 確認用チェックリスト(案)に対する意見等」と記載の上送信いただけるようお願いいたします。
「土砂災害防止アドバイザー 確認用チェックリスト(案)」(ver.2019.7.17)
「土砂災害防止アドバイザー 確認用チェックシート(案)」(ver.2020.3.31)
「土砂災害防止アドバイザー 確認用チェックシート(案)(ver.2020.3.31)」の解説